ChatGPT×デザインの革命｜プロンプト例で分かるAI使い方まとめ
用語注釈
- ハルシネーション：AIが事実でないことをあたかも真実のように生成してしまう現象。出典確認を行うこと。出力の際のプロンプトに『ハルシネーション禁止』などの一文を加えると良いでしょう。
- プロンプト：AIに与える指示文。誰が、何を、どのような条件で、という情報を含めると精度が高まる。
- 出力：AIがユーザーの指示（プロンプト）に基づいて返す回答や生成結果のこと。プロンプト設計次第で内容の質が大きく変わる。
ChatGPTはデザインにどう使える？【基本理解】
ChatGPTは「テキスト生成AI」ですが、本質は思考支援ツール（対話型のブレイン）です。
デザインのコンセプト化、言語化、提案文作成、フィードバック生成など、思考プロセスの補助を得意とします。
つまり、あなたのデザイン思考を補強するブレーンのような存在となります。
| 得意領域 | 具体例 |
|---|---|
| アイデア発想 | デザインコンセプト、構図の方向性 |
| 言語化 | 提案書文・トーン＆マナーの定義 |
| フィードバック | 配色改善・UX改善提案 |
| 効率化 | コピー作成・リサーチ下準備 |
補足：ハルシネーションを完全に禁止すると既存語のみの出力になり、造語や新しい響きが生まれにくくなります。メインコピーやリードで「新しい響き」を求める場合は、あえて想像的な出力（＝ハルシネーションを許容する発想）を活用することも有効です。
最初は『ハルシネーション禁止』をあえて加えず出力してみるものアリです。
デザイン業務で使えるChatGPT活用例【5選】
① UI/UXライティング支援
ボタン文言・エラーメッセージ・オンボーディング文言の複数案を瞬時に作成できます。
プロンプト例：
あなたはUXライターです。登録完了画面のCTA（300文字以内）を親しみやすく3案提示してください。② 色やレイアウトのアイデア出し
ターゲットやトーンを指定するとカラーパレットやレイアウトヒントを言語化してくれます。
プロンプト例：
20代女性向け・ミニマルな美容ブランドサイトのカラーパレットと使用比率を提案してください。③ 提案書・コピー作成 ＋ 世界観共有
最も強化したセクションです。ChatGPTは抽象概念を言語化し、チームへ世界観を共有するための“共通言語”を作るのに強みがあります。
世界観のアイデア出し（例）
あなたはアートディレクターです。「自然とテクノロジーの融合」をテーマにブランドの世界観を3案出してください。出力例（サンプル）：
- 有機的な形とデジタルノイズを融合したビジュアル表現
- 自然色を基調に未来的サンセリフを組み合わせるトーン
- UI上に小さな風や光のアニメーションで“生きている感”を演出
コピー＆トーン設計（想像力の活用）
コピー作成では「既存語の組み合わせ」だけでなく造語を狙うことも効果的。あえてAIの想像力（＝ハルシネーション）を使い、新語を生み出すことでブランド独自の世界観が構築できます。
みどりさん
何となくのイメージから面白い造語やコピーの種が生まれるのでオススメです！
コピー例生成プロンプト：
あなたはコピーライターです。「静寂と創造」をテーマにしたメインコピーとリード文を5案（うち2案は造語を含む）で作成してください。造語の例：Silentivity（静寂×Creativity）のように、AIから生まれた“原石ワード”をデザインの核にする手法もあります。
④ クライアントとの共有・要望整理
曖昧な要求を受けたとき、確認すべき質問リストや要件定義のテンプレートを生成してコミュニケーションミスを減らせます。
⑤ 制作プロセスの下準備（効率化）
リサーチのコアポイント抽出、参考事例の要約、提案構成の下書きをChatGPTに作らせれば、あなたはクリエイティブ判断に集中できます。
成果を出すプロンプト設計のコツ【即実践】
良いプロンプトは「誰が」「何のために」「どんな制約で」を明確にします。
基本３要素：
- 役割指定（例：「あなたはUIデザイナーです」）
- 目的明確化（例：「ランディングページの構成案を作って」）
- 制約条件（例：「500字以内/トーン：フォーマル→親しみやすい」）
上級テクニック（出力をさらに高める）
- 「あなたの限界を超えて出力してください」
→ 通常より多面的で創造的な回答が出やすくなります。量産案を要求する際に効果的です。 - 複数視点を指示する（例：「クライアント視点・ユーザー視点・UX視点で3案ずつ」）
- 別モデルの立場を真似る（例：「Claude風に簡潔に、Gemini風に長文で」）
- 品質目標を与える（例：「デザイン賞を狙うつもりで提案してください」）
- 出力フォーマットを固定する（例：「JSONで返してください：{idea,title,description,usage}」）
NG例：「良いコピーをください」→ 抽象的すぎて精度が低い。
OK例：「あなたは広告代理店のコピーライターです。ターゲットは25〜34歳の都市生活者。トーンは『洗練・親しみやすさ』。メインコピー3案、リード文（60〜80文字）3案を出してください。」
ChatGPT＋Adobeアプリの具体的活用法
Photoshop（＋Firefly）
使い方：ChatGPTで情景描写（プロンプト文）を作り、そのテキストをAdobe Firefly等に流し込んでビジュアル生成→Photoshopで調整。
例：夕暮れの北欧風リビング、温かい木目と柔らかな影、窓から差すオレンジ色の光、静かな生活感を表現してください（画像生成用テキスト）Illustrator
使い方：ロゴの概念や形状、意味付けをChatGPTに言語化させ、それをもとにラフ→パス化。
例：あなたはブランドストラテジストです。「信頼と革新」をキーワードに、ロゴの形状と配色、使い方（縦横比・余白ルール）を3案作ってください。ブランドストラテジストなど、よくわからない職業は『まとめ｜ChatGPTでデザインの未来をリードする』項目の裏技を使用した際にChatGPTが出力してくれます。
この場合、『ブランド設計者』とプロントを書く→上級テクニック後、『ブランドストラテジスト』みたいなイメージです。出力された職業が気になる方は、Googleで検索してみてください。
注意点と倫理面
- 著作権の確認：生成物に既存作品の痕跡がないか、商用利用前に確認を。
- ハルシネーション対策：事実情報は必ず外部ソースで検証する（固有名詞・統計等）。
- 透明性：クライアントにはAI活用の範囲を開示すると信頼に繋がる。
- 個人情報は絶対に入れないでください。
名前・住所・電話番号・メール等をプロンプトに含めると、意図せずに情報が外部へ流出したり、モデルの挙動で不適切に再生成されるリスクがあります。特に顧客やユーザーの個人情報を含めるとプライバシー侵害や法的リスクに発展する可能性があるため、必ず仮名・抽象設定で検証を行ってください。
まとめ｜ChatGPTでデザインの未来をリードする
ChatGPTは「考える力」を拡張するクリエイティブパートナーです。アイデア出し、世界観共有、提案書作成、クライアント対応のどの場面でも活用できます。AIを使いこなすことで、作業者からディレクター的役割へと進化できます。
まず試すべきプロンプト（実行用）
あなたはWebデザイナーです。「未来的なUIデザイン」をテーマに、Figmaで使えるページ構成とカラー提案を5パターン、各パターンに使えるCTA文言（短め）を3案ずつ出してください。裏技：プロンプトの前置きで出力を強化する一文
プロンプトの冒頭に次の一文を付けると、出力の質が向上することが多いです：
あなたは優秀なエンジニアです。以下のプロンプトをより高度な出力結果が出るように修正してください。この一文を入れると、AIが論理構造を整理して締まった、より実用的・技術的な出力を返しやすくなります。さらに出力の幅を広げたい場合は、前述の「あなたの限界を超えて出力してください」を加えるのがおすすめです。
