デザインのメディア、媒体に沿ったデザイン(新聞とweb)
デザインの世界では、どのメディアに掲載されるかによってそのアプローチが大きく変わります。
新聞やWebサイト、SNSなど、各メディアの特性を理解し、それぞれに最適化されたデザインを行うことが求められます。
本記事では、新聞とWebにおけるデザインの違いや注意点を探りながら、効果的なデザインを実現するためのポイントを紹介します。
デザイナーの視点
デザインを行う際、デザイナーはそのデザインがどのような形、どのような大きさ、どのような場面で見られるのかをしっかりと想像しなければなりません。
それだけでなく、実際に写真や現物を手に取って確認することも非常に重要です。
デザインがどの角度から見られるのか、文字がどれくらいの大きさで表示されるのかといった具体的なシチュエーションを把握することが欠かせません。
メディア特有の技術的要件
例えば、印刷物の場合は色の設定がCMYKで行われるのに対し、WebデザインはRGBが基本です。
印刷物のデザインを画面上で行うことは、実際の仕上がりと大きく異なる結果を招く可能性があるため、
適切な設定でデザインを行うことが求められます。
これは依頼者側も同じです。
参考デザインをWebで探して印刷物に落とし込む場合、色彩が反映できないことを理解しなければなりません。
具体例
ある商品カタログをデザインする場合、印刷用のカタログはCMYKの色設定を用いることで、印刷時の色再現性を高めることができます。
一方、同じ商品をWebサイトで紹介する際には、RGBの設定を用いて、モニター上で鮮やかに見える色彩を選択します。
デザインの目的
デザインの最終的な目的は単に入稿することではなく、そのデザインが読者やユーザーにどのような影響を与えるかという点にあります。
メディアの特性に応じて適切なデザインを施すことで、効果的なコミュニケーションが実現できます。
具体例
広告デザインの場合、新聞広告では購読者が紙面を読み込む時間を考慮して、情報量を多めにすることが一般的です。
一方、Web広告ではユーザーが素早く情報を取得することを前提に、キャッチコピーやビジュアルを強調し、簡潔なデザインが求められます。
新聞デザインの具体例:折込チラシ
例えば、新聞に挟み込まれる折込チラシを考えてみましょう。
新聞購読者の多くは年配の方々です。
このような場合、小さな文字でおしゃれに「3.3 Thursday am9:00」などと書いても、読みづらくて意味をなさない可能性があります。
読者の視点に立って、見やすく分かりやすいデザインを心がけることが重要です。
具体例
年配向けの折込チラシでは、フォントサイズを大きくし、コントラストを強くすることで文字が見やすくなります。
また、重要な情報は中央に配置し、余白を多めに取ることで、視覚的に整理されたデザインにします。
先程の時間の例でいえば、「3.3 Thursday am9:00」ではなく
「3月3日 木曜日 朝9時より開始」など英語や雰囲気でなく年配の方にも読みやすい文字構成にしましょう。
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Web、SNSでの告知デザイン
WebやSNSは短時間で情報を伝える必要があるため、視覚的にインパクトのあるデザインが求められます。
画面上で見ることを前提にしているため、鮮やかな色彩や大きなフォント、簡潔なメッセージが効果的です。
また、WebサイトやSNSごとに異なるフォーマットや表示方法を理解し、プラットフォームに最適化したデザインを行うことも重要です。
特に鮮やかな色彩はRGBならではのデザインです。
フォトショップならばトーンカーブや、彩度をあげて綺麗な見た目にしましょう。
具体例
SNSでのイベント告知では、アイキャッチ画像にイベント名や日時、場所を大きく表示し、視覚的にすぐに認識できるようにします。InstagramのストーリーズやTwitterのタイムラインに投稿する際は、縦長のフォーマットや正方形のフォーマットに合わせてデザインを調整します。
まとめ
デザインを成功させるためには、そのデザインが見られるメディアの特性を理解し、それに合わせた工夫が必要です。
新聞、Web、SNSといった異なるメディアに対して、それぞれの特性を踏まえたデザインを提供することで、読者やユーザーに対して効果的なコミュニケーションが実現できます。
デザイナーは常に視点を変え、技術的な要件やデザインの目的を忘れずに、メディアに最適なデザインを追求することが重要です。