物売りと内容売りの違いを活かした企画のアイデア
デザイナーは単にデザインを指示通りに作成する職業ではありません、それはデザインアプリが使えるオペレーターという職業に属します。
時には営業やクリエイティブチームで企画を一緒に考えたり提案することも多く、デザイン以外のスキルも求められます。
広告ジャンルに関係するデザイン職だからこそ、専門の知識も必要になってきます。
仕事において企画提案は大きく2つのことに分けられます。今回はその分けられた企画に関してまとめていきます。
物売りの企画
物売りの企画とは、具体的な製品やサービスをお客様に提供するビジネスです。
この企画モデルは、既存の需要に合わせて商品を組み合わせ、セット販売することで、お客様のニーズを満たします。
以下に、具体的な物売りの企画例を挙げてみましょう。
デザインを始めたい人にセット提案
・アドビのデザインアプリ(Photoshop、Illustratorなど)
・高性能なパソコン、ペンタブレット
・グラフィックデザインの参考書
提案のポイントとして
・プロが使用しているデザインに必要なツールを提案する。
・セット購入により、個別に買うよりもお得感を演出。
一人暮らしを始める人に生活スタート家電セット
・生活に必要な家電セット(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器など)
・家電の使い方マニュアル
・合わせて必要最低限の家具セット(ベッド、テーブルなど)
提案のポイントとして
・一人暮らしを始める人にとって必要な家電をまとめて提供し、選ぶ時間や引っ越しの手間を軽減。
・セット割引を適用することで、顧客にとって魅力的な価格設定が可能。
物売りまとめ
物売りは、長年の経験で様々な商品を知り尽くしていることが強みです。
多くの商品知識を活かして、最適なセットを提案することで、お客様の満足度を高めることができます。
知識を持った凄い人だけができると思うかもしれませんが
逆に商品を多く知っていれば誰でも企画提案できる、教えられるということです。(育成などもマニュアル化できる)
具体的な仕事においての物売り企画とは、メディアで働く仕事が挙げられます。
※ここでいうメディアとは「新聞、雑誌、Web、テレビなどの媒体」を指しています。
ある事柄を知らせたいときはメディアを提案します。
「〇〇と〇〇のメディアを使って広めていきましょう」というような提案ですね。
提案できる雑誌やフリーペーパー、webなどメディアの数が多いほど選定も可能なので
誰もが持てるメディア(SNSやYouTubeの広告)だけでなく自社オリジナルのメディアを持つ企業は重宝されます。
内容売り
内容売りとは、具体的な商品よりも、その商品を使った体験やサービス、企画を提供するビジネスです。
このビジネスモデルでは、お客様が求める体験やスキル向上に焦点を当てます。
以下に、具体的な内容売りの例を挙げてみましょう。
アドビのアプリを使ったコラージュ作品コンテスト
・コラージュ作りを通して参加者にアドビのアプリの使い方をレクチャー
・コラージュ作品を制作する過程でデザイナーとしての創造力、企画力を鍛える
提案のポイントとして
・作品作りや創造力を鍛えつつ、アドビのアプリを使いこなすことで、デザインアプリのスキル向上を図る。
・参加者同士の交流や競争心を刺激し、学びのモチベーションを高める。
アプリの使い方ではなくデザインが生まれる過程やデザインバランスや感覚の部分のコミュニケーションも生まれる。
無人島での生活サポートプログラム
・一人暮らしを考えている人向けに、無人島での生活を体験
・食材の調達方法や簡単な調理法をレクチャー
・サバイバル技術や自然の中での生活を通じて、生きる力や感謝の大切さを学ぶ
提案のポイントとして
・非日常的な体験を提供することで、顧客に深い印象を与える。
・生きることや感謝の重要性を体験を通じて学ぶ機会を提供。
内容売りまとめ
内容売りでは、単に商品を提供するだけでなく、そこに付加価値を加えることが重要です。
顧客が求める体験やスキルを提供することで、長期的な信頼関係を築くことができます。
逆に商品を知っているだけでは企画提案はできません。
企画の立て方やアイデアの組みかたなど思いつきではなく、広告の知識が必要です。
先ほどのメディアを例に挙げると、内容売りはメディア媒体(雑誌やフリーペーパー、webページ)を売るのではなく、
どのような内容にするのか、企画自体を売ります。その企画をメディアを通して伝えていきます。メディアは手段ということです。
まとめ
物売りと内容売りは、それぞれ異なるアプローチですが、顧客のニーズを満たすためにはどちらも重要です。
物売りでは、具体的な商品を提供することで顧客の即時的な満足感を満たし、内容売りでは、体験やスキル向上を通じて長期的な価値、ワクワクを提供します。
両者をバランスよく組み合わせることで、より多様な顧客ニーズに応えることができるでしょう。