商業デザインはまず、5の5を作るのが大事です

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商業デザインはまず、5の5を作るのが大事です

商業デザインでは5の5が作れることが大事です。デザインを作成する際に1~10と作業過程があったとすると1から作り始めて『5の5』がまずはゴールです。今回の話、デザイン系のWEBにあまり書いてないです。でも大事です。

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『伝わるか伝わらないか』をまずデザインして、その後、デザインの技術を高めていく

なぜ5の5なのか

初心者デザイナーでありがちなのが1~4をすっ飛ばして5から10を作り始めるデザイナーが多いです。5から10はデザイン性や技術の話です。光や影、色合いや全体の雰囲気、ノイズを入れたりフォントをデザインしたり、ゆがませたり、色調補正したり。技術の話です。

商業デザインで大事なのは1から5の“伝わるか伝わらないか”の部分です。意味の構成や情報、日付など、それに合ったフォントや色大きさなどが適切かどうかなど。ある意味、9や10でデザインを考えるより4や5を考える方が難しいです。そして1、つまり軸である0から1を作るデザインが一番難しいです(デザインを生み出す力です)。

初心者デザイナーがすっ飛ばす理由【コンセプトのズレ】

それは簡単です、楽しいからです。デザインで“どんな色にしよう”とか、“どんな作品を作ろう”とか考えるのはとても楽しいことです。(『作品』と思っている時点でダメなんですけど。)デザインを勉強しているとフォトショップの色々な機能やYouTubeでもかっこいいチュートリアルがたくさん流れています。それはほぼ“技術”や“方法”で広告や商業デザインではありません。(全てではないですが。)商業デザインは“デザイン思考”や営業に近いです。お客さんや相手の顔が想像できていないとできません。ですから初心者デザイナーが“チュートリアルで勉強したことを発揮してやろう!”と意気込むと1から5を軽く考えて、5から10に思いっきり時間を費やしてしまうのです。

(実はこれ、近年の動画作成、動画編集にも当てはまったり。。。)

経験談

自分もよくやりました。5までをすっ飛ばして持てる技術を駆使して5から10をデザインすること。そして出来上がったデザインを先輩に見せると“そもそもの意味が違う”と全消しされて全て白紙に戻される。こんなことがよくありました。全レイヤーを選択してバックスペースorデリートキーです。でもそのとき1から5までの商業デザインや広告としての“意味”も教えてもらえるのでいいんですけど。

インハウスデザイナーにも求められる力

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この5の5を作る能力はインハウスデザイナーに求められる力です。デザイン会社ではベースとなるデザインやずっと続けているデザインが存在します。それを時期や日付だけ変えるデザイン、元のコンセプトに沿ったデザイン変えなど『誰かが作ったデザイン』を、くみ取って変換していく仕事もあります。そこにいきなり自分の技術やオリジナルは求められていません。たとえかっこいい素晴らしいデザインが出来上がったしてもそれは不正解となることがあります。

もし元のデザインを変えてどうしても自分のデザインを突き通したいのなら、それ以降のデザインも全て自分でプロデュースしていく必要があります。その気があるのならとことん良いデザインを提案し続け、あなたの力を周りに見せつけてやりましょう!

その気持ちがない、その場で思いついた、一回こっきりのかっこいいデザインだけではダメなのです。

まとめ

今回はデザイナーはまず5の5を作れることが大事というお話をしました。決してデザインの技術を否定しているわけではありません。デザイナーは、技術も広告も両方しっかり勉強していかないといけませんよ、ということです。デザイナー同士の会話、特に先輩や上司と話すときはデザインの技術より“広告としてどうか”、“お客さんに伝わるかどうか”を基準に会話が行われることが多いのも事実です。デザイナーを目指す方やデザインを作る方は、きっちりそこらへんも考えたほうが成長は早いです。

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