想像力豊かすぎて損するデザイナー
デザインは想像力、創造力が必要です。
今回はイメージを想像する方の想像力についてのお話。
デザインを作る時には何かしら構図や世界観など、イメージしてから作っていきます。
ちなみに、全体のイメージを想像できてないままフォトショップなりイラレなりで
作業を取り掛かると何時間かかってもデザインは完成しません。
自分の中でイメージも無いまま、作り出しているのでゴールが見つからず
変に細かいところばかりこだわって、いつまで経ってもデザインが完成しませんのでご注意です。
デザイナーとは頭のイメージを具現化する仕事
デザイン作りについて全体のデザインイメージはとても大切です。
先に書いたようにイメージが無いまま作り始めると
何時間もかかる上に自分の中にゴールがないので、いつまでもデザインができません。
デザイナーは頭の中でデザインのイメージを膨らまします。
かわいいデザイン、熱いデザイン、エモいデザイン、
さらに具体的に、森の中で人が逆光浴びてるイメージ、砂浜で水を浴びているイメージなど
フォトショップやイラレに触る前に、世界観のイメージを想像します。
イメージが想像できたら世界観に合う素材をかき集めます。
そして、ようやくフォトショップやイラレでデザインを起こしていきます。
デザイナーは頭の中のイメージをデザインに起こしていきます。
ですから世界観をイメージできる、想像力がある、
または何かの単語から一気に世界観が発想できる人はデザイナーにも向いていますし
デザイナーを続けるにあたり、とても強みになることでしょう。
イメージは大切だけど商業デザインでは注意
ただしイメージや世界観だけでは、良いデザインになりません。
特に商業広告、商業デザインにおいてはデザインのイメージ、世界観よりも
“伝わる”ことの方が大事になります。
先の森の中で人が逆光浴びてるイメージ、砂浜で水を浴びているイメージだけでは
広告として何も伝わりません。
出来上がったデザインは、光が差したりしていてとてもきれいです。
しかしクライアントは“きれい”なデザインを伝えたいのでなく何かの情報、
ドリンクが新発売、セール情報、イベント開催日など
そういう情報を伝えたいはずです。
逆に世界観やイメージが微妙でも情報が的確に伝わるデザインであれば
そちらの方が正解となります。
つまり商業デザインを作る際、世界観が独特で想像力があるデザイナーよりも
情報を整理してレイアウトが、まとめられるデザイナーの方が強いです。
想像力が豊かすぎると目的を見失う
想像力が豊かなデザイナーは世界観やイメージの想像力を膨らませすぎて
そのイメージを伝えることが目的となってしまい
一番大事な情報が小さくなったりデザインが、おろそかになってしまいがちです。
特にイメージ、発想が独特すぎて
周りには想像できない、世界観を想像できるデザイナーのほうが
情報をデザインするよりも、世界観を優先していまい
きれいだけど何を伝えたいか分からないデザインになります。
一般の人は独特な世界観を理解するのは困難です。
(デザイナーが思っているほど素直に伝わらないものです。)
想像力豊かすぎて独特なデザインをつくるデザイナーは
良い結果を作ることができない場合も多いです。
世の中にはコンセプトアートといってゲームや広告など
制作チームで世界観を共有するデザインもあります。
世界観が豊かすぎるデザイナーはそういう世界観をデザインチームで共有するときに
大きな力を発揮することができるでしょう。
実際のデザインで解説
実際のデザインで比べて見ましょう。
広告を意識した商業デザイン(左)と、世界観を優先した想像力が高いデザイン(右)です。
右は世界観を優先するあまり、何が伝えたいのか
よく分からないデザインになってしまっています。
想像力が高すぎるため、情報も小さくフォントも読みづらいものになっています。
しかし、右を作った想像力が高いデザイナーは意外に頑固です。
こんなことも思っているでしょう。。。
これは世界観の方が大事だから、モノクロも大事だしスタイリッシュなのも外せない!
左のデザインは全然世界観も崩れすぎているし、広告デザイン的にもこれで正解なの!
みどりさん
うーん、自分がそうでしたが頑固ですね。。
では右のデザインを商業的、広告的にデザインし直してみましょう。
これで世界観を崩さず、意味のわかる商業デザインになりました。
先ほどの世界観が強すぎる頑固なデザイナーも納得してくれるでしょう。
【まとめ】商業デザインは、世界観イメージよりも構図イメージの方が大事
商業デザインにおいては世界観をデザインするよりも
情報を整理して見やすいレイアウトを想像できるデザイナーのほうが有利です。
想像力が豊かすぎると、世界観を重視しすぎて、
ぱっと見何が伝えたいのか分からないデザインや、きれいだけのデザインを作りがちです。
デザインには世界観やアート要素も大事ですが
レイアウトや情報を整理する想像力も勉強していきましょう。