発達障害ってデザイナーに向いてるの?【ASD、ADHD、グレーゾーンの方々へ】
『大人 発達障害 仕事』とかで検索すると向いてる職業が出てきたりします。その中にデザイナーも含まれてることが多いんですね。
逆に向いていない職業には接客業だったり営業だったりが並んでます。
この記事では発達障害、グレーゾーンで将来デザイナーになりたいなと感じてる方に向けてのアドバイスをまとめます。
とかいう自分もASDです。【デザイナー志望→管理職、営業職経験→無理→発達障害と診断される】
後で分かった人間ですが向いていないとされる営業職も経験してますので両方の体験談や現状踏まえてまとめていきますね!
ASD…自閉症スペクトラム症の略称です。ADHDは注意欠如・多動症のことです。グレーゾーンとは医師に明確に診断されてないけど明らかにその症状がある方々です。そこらへんまだまだ曖昧な部分が多いので現代のグレーゾーンってとても幅広かったりします。
【ASDのデザイナーが感じていること】
で、向いてるの?
いきなりですが結論です。
『発達障害でデザイナー、向いてます』
向いているというか全然普通に仕事できてます。ただし条件付きというか制限はあるので経験踏まえてお話いたします。
大きく分けてデザイナーは2通りのタイプがいます
デザイナーには大きく分けると2通りのタイプがいます。
①営業やコミュニケーション、外へ出てクライアントに提案&デザインするタイプ
②とにかく職人肌。パソコンに向かってどんどんデザインこだわるタイプ
デザイナーに向いているのはこの②のタイプの方です。
発達障害はとにかくコミュニケーションができません。①のタイプのように、クライアントと話したりスケジュール組んだり提案のプレゼンしたり、、、そういう系はとても苦手なんです。頑張ればできるかもしれないけど必ずどこかで失敗します。
自分も営業職を3年ほど経験しましたがもう闇でした。まぁいろいろと経験できたし営業さんの気持ちなんかも理解できたのでいいんですけど。ちなみにデザイナーさんは営業職とよく意見の食い違いでケンカになったりするので気をつけましょう。クライアントと直に話している営業さんが正しいので素直に聞き入れたほうが吉です。
逆に②のタイプのように、コツコツ一心不乱に、周りや時間を気にせずに作業するのはとても得意です。
発達障害やグレーゾーンの方々でも自分の好きなことや何かもくもくと作業するのは得意だったりしませんか?その感覚です。
センスがなくても『デザインが好き』これだけでデザイナーとしてはOKです。もくもくと勉強もできるし、どんどんレベルアップしていきます。
もし発達障害でデザイナーを目指すのであれば②のタイプような環境で仕事場がオススメです。

職人肌のデザイナーがおすすめです。
フリーランスデザイナーとインハウスデザイナー
フリーランスは経験していないので詳しくわかりませんが発達障害である自分は向いていないと思います。
多分フリーランスは自分で営業してスケジュール管理して、さらに年末調整や税金なんか全部自分で把握しなければいけません。
先の①のタイプと似てますね。発達障害は全て苦手です。というかできる気がしません。書類を机の上に並べるもよく分からなくなって、横になって眠ってしまうのがオチです。
発達障害やグレーゾーンでデザイナーになりたい方へ、オススメはインハウスデザイナーです。
年末調整や税金などは全部会社に任せちゃいましょう。もうデザインのことだけ、デザインに集中できる環境に身を置くのが良いと思います。営業は営業職、経理は経理職、ちゃんと分かれている会社を選んだほうがいいです。

インハウスデザイナーがいろいろと楽です。
【注意】地方で働くインハウスデザイナー
とはいえ小さな会社や地方の会社ではそもそも社員が少なくてインハウスデザイナーが他の仕事もすることもよくあります。経理をするとこはあまりないと思いますが営業をしたり管理職のような仕事のスケジュールを組んで全体把握しなければいけないこともあります。
自分は会社でデザイナーだけど先輩の立ち位置です。つまり後輩のスケジュールや全体を見ながら仕事してます。
つまり管理職みたいなものです。しかし発達障害はこの『管理職』もとても苦手です。
ではどうやって切り抜けているか自身の体験と合わせてまとめていきます。
営業、経理、管理。発達障害のデザイナーはこの3つの中に入ってはいけません。ほぼ失敗します。できるかもしれませんが、良い成績を残したり自分を伸ばすことが困難でしょう。よく仕事ができていたので会社がその人を管理職に抜擢。しかし管理職になったとたん一気に仕事ができなくなった。みたいな話があります。これは大人の発達障害が関係しているかもしれません。
管理職デザイナーでの切り抜け方
管理はしてない
まず、ぶっちゃけると『管理はしてません』。
上司には自身が発達障害であること、スケジュール管理ができないことなど伝えてあります。ですので発達障害でデザイナーになるなら自分が発達障害であることが言える会社にしましょう。そして発達障害を理解してくれる会社です。
発達障害のことを知らない会社、特に“そんなのただの気持ちの問題だろ”みたいに考えている会社は絶対選んではいけません。
…
ちょっと話がズレていまいました。
まず会社の中にスケジュールを組むのが得意そうな人にスケジュール作りは任せてしまいます。(自分がスケジュール管理するのが苦手と相手に伝えるのも大事です。)
例えば、『スケジュール表作って仕事の量と締め切りを書いて、終わったら消す』この『消す行為』が好きな人を指名しましょう。何かを消すと仕事が“終わった感”が出ます。そして消すと“仕事した感”も生まれます。そういうのが好きな人に任せちゃいましょう。
というわけで自分はスケジュール管理をしていません。ただ出来上がったスケジュール表を締め切りの近いものから一個一個作っていってます。それでOKなんです。
あくまでもデザイナーはスケジュール管理できる人ではなく、デザインができる人&一番デザインが好きな人です。先輩や管理職になってもデザインができないと意味無いです。スケジュール組んでも仕事は進みません。発達障害デザイナーは管理職やリーダーになっても誰にも負けない良いデザインをどんどん作っちゃいましょう。

無理なことは無理せず得意な人に任せちゃいましょう。
とりあえず話しかける
発達障害は人とコミュニケーションをとるのも苦手です。自分もコミュニケーションは苦手です。しかし管理職なら後輩のことを見ていかないといけません。でもコミュニケーションは苦手なんです!!!雑談も無理なんです!!!!
で思いついたのは『とりあえず話しかける』です。興味がなくてもとりあえず、後輩一人ひとりに声を少し大きめに出して『仕事どんな感じ?』と声をかけます。
特に『とりあえず』、『一人ひとり』これが大事です。
あとは時間帯も大事です。仕事の始まる朝と、終業間際の時間は声をかけると部署の雰囲気も良くなります。元々、部署の全体把握して全員のスケジュールも管理して、なんて発達障害には無理なんですよね。
雑談しないと!コミュニケーションとっていかないと!とか思わなくていいので、“とりあえず適当に”『今作ってるデザインどんな感じ?』と聞くだけでOKだと思います。
まとめ
今回は『発達障害ってデザイナーに向いてるの?』という内容を“現役の発達障害デザイナー”である自身の経験を踏まえてお話ししました。
再度まとめると『条件付きで向いてます』
①とにかく職人肌。デザイン大好きでどんどんこだわるタイプ
営業職やコミュニケーションが多い職場は避けたほうが良いです。黙々とデザインが作れる環境を作りましょう。
②フリーランスよりインハウスデザイナー
年末調整や経理、数字が絡むと発達障害はお手上げ状態になりやすいです。数字のことは会社の専門部署に任せちゃいましょう。
③管理は他の人に任せて
管理職やリーダーになると少し大変。スケジュール管理や全体把握を求められます。しかし無理なものは無理。全体把握が好きな人、スケジュールを作るのが好きな人に任せて誰よりも良いデザインがつくれるデザイナーを目指しましょう。
発達障害だからデザイナーは無理かもと思っている方、デザインが好きなら是非デザイナーを目指すのもありです。全然無理ではありません。自分の性格を観察し、無理せず自分の生活とあったデザイナーライフを送ってみてください!

発達障害は周りの環境によりとても疲れやすい身体です。無理せずステキなデザイナーを目指してください!